仮想空間は死んだのか

セカンドライフ(SL)はすっかり話題に上らなくなってしまった。googleがこっそり始めたLivelyはマック版が出る前に終了してしまった。ソニーはPS3のhomeをようやく本格化させるようだが、PS3の普及率が現状のままでは期待できない。仮想空間は死んだのか?そう問いかけたくなるこの頃だ。

私はSLに半年ぐらいはまった。もう毎日のようにログインしていたのである。うろうろ散歩したり、飛行したりするのも面白かったし、知り合った人たちとおしゃべりをするのも楽しかった。撮影機能を使って、マシニマと呼ばれるミニ映画まで作るほどだった。ビジュアル的には他の3次元のゲームと比べて劣ってはいたけれど、そんなことは気にならなかった。目新しさと創造する喜びが何よりの魅力だった。

では、なぜ飽きてしまったのだろう。飽きたというのは適切ではないかもしれない。今でもSLが好きだからだ。それでもログインはしなくなってしまった。仮想世界は、気軽に1日5分だけログインするというわけにはいかない。ログインするとぶらぶらしながら、知人を訪ねておしゃべりしたり、何かのイベントや新しい名所に連れて行ってもらったりしているうちに、時間が過ぎてしまう。どっぷり浸かるようになってしまう。

しかし、浸かれば浸かるほど、現実とは違うというか、現実世界ほどの魅力はない感じがしてくるのである。夜更かしして、2時間も3時間もログインしていていいのだろうか、という気になってくる。あちらの世界で生計が立てられるのなら、それもいいかもしれないが、普通の人はそういうわけにはいかない。SNSほどの気楽さがなかったのが、ログインしなくなった最大の要因かなと思う。

一時は熱中していたカジュアルなユーザーの大部分も面白さを感じながらも、フェードアウトしていったのではないだろうか。

今後の仮想世界について、期待できることもある。「どうぶつの森」のwii版は、噂されたようなMMOにはならなかったけれど、友達の森にネット経由で遊びに行ける。DS版のときはワイヤレスに比べ、ネット経由はそれほど流行らなかったようだが、Wii版はどうだろう。「どうぶつの森」のような分かりやすい仕掛けがあれば、仮想世界がもう一般的になるかもしれない。でも、しばらく時間がかかりそうだけれど。